COBOLの経験を、生成AIに関わる仕事へつなげる接点はあるのでしょうか。LegacyForceの登録エンジニアからは、COBOLに特化した生成AIの学習用データ作成に携わった経験が寄せられています。
この記事では、その担当内容と、そこから考えられる経験の整理方法を紹介します。一人の実例であり、COBOL関連のAI案件が広く増えていることを示すものではありません。
登録エンジニアの経験:依頼された題材に、COBOL有識者として内容を足す
この技術者が担当したのは、COBOLについての問いに、どのように答えるかを学習させるためのデータ作成です。仕事内容を伺うと、指定されたデータを作るだけではなかったことが分かりました。
登録エンジニアのコメント(発言要旨)
こう聞かれたらこう答える、という学習用のデータを作っていました。依頼された内容を組み込みながら、COBOLの有識者として、こういう内容もあった方がよいと追加していました。何人かで作業していたので、他の人が書いた内容の確認もしていました。
この話には、本人のCOBOL経験が使われた場面が二つあります。題材として何を追加するか考えることと、他の担当者が作ったものを確かめることです。単に「AI案件に参加した」と書くよりも、仕事の中身が見えてきます。
コードを渡す前に、確認できる環境を用意した
もう一つ具体的だったのは、作成したコードの確認方法です。
登録エンジニアのコメント(発言要旨)
書いたコードを、そのまま学習に使うわけにはいかないので、まずコンパイルを通して確認することにしました。そのための環境を用意して、皆さんが作業を始められるようにする準備も担当しました。
コードの内容を見る仕事に加え、複数の担当者が確認作業を始められるようにする仕事も担っていたのです。この記録では、モデル精度をどれだけ改善したかまでは確認できませんが、担当した作業は具体的に分かります。
LegacyForceの見方
私たちがこの実例から考えたいのは、AIに関わる仕事を「モデルを開発したか」だけで捉えないことです。題材を選ぶ、コードや説明をレビューする、確認のための環境を整える。こうした仕事にも、積み上げた言語の知識を使う接点がありました。
本人はCOBOLが最も経験の長い言語だと話す一方で、関心のある技術は別に学び、何かの機会に役立てたいとも話していました。得意な技術を生かすことと、新しい技術を学ぶことを並行していた一例です。すべてのCOBOL経験者に同じ仕事があるという話ではありませんが、経歴を整理するときに、レビューや作業環境の準備も振り返る手がかりになります。
コンパイル確認と、業務として正しいかの確認を分ける
実例では、コードをコンパイルして確かめる工程がありました。ただし、コンパイルが通ることだけで、処理内容や出力が意図どおりであると判断することはできません。
ここから先は、その登録者が実施した内容の紹介ではなく、LegacyForce編集部が提案するレビュー観点です。
| 確認の段階 | 確かめたいこと |
|---|---|
| 問いの前提 | 入力、期待する出力、対象環境が分かるか |
| 説明とコード | 説明された処理がコードに表れているか |
| 動作の確認 | 実行可能な場合、想定した条件で期待する結果になるか |
| 境界や例外 | 空の入力、件数ゼロ、上限・下限など、必要な条件を扱っているか |
| 環境の違い | 特定環境で成立した結果を、別環境でも同じと扱っていないか |
| 評価の記録 | 何を確認し、何が未確認かを第三者が追えるか |
特に業務知識が関わる処理では、問いに条件が足りない場合があります。税額計算のように丸め方や計算単位で結果が変わる題材なら、コードを先に評価する前に、正解の条件を決める必要があります。
実務経験と個人学習は、分けて見せる
AIに関心を持って学習を始める場合は、簡単な架空の題材で、問い・説明・コード・確認結果を一組にしてみる方法があります。例えば、架空の売上一覧を集計し、条件を変えたときに結果がどうなるかを記録します。
実際の顧客コードや業務データを持ち出さず、自分で作った小さな例を使います。利用するAIやツールは、所属先・契約先の利用ルールに従ってください。
学習結果を経歴書に書くときは、「個人学習」と明記し、実務でのAI開発経験と混ぜないようにします。一方、過去に業務で行ったコードレビューやテスト設計は、それぞれ実務経験として具体的に書けます。
大切なのは、「生成AIが使えます」という一行で終わらず、何を入力し、何を確認し、どんな限界があったかを説明できることです。
COBOLとAIに関わる募集を見つけたら確認したいこと
主な仕事はデータ作成、回答評価、コード検証、モデル開発のどれか。
COBOLのどの環境・領域の知識が必要か。業務知識も求めるか。
Pythonなど別の言語は必須か。実装するのか、既存ツールを使うのか。
正解データや評価基準は誰が決めるか。専門家によるレビューはあるか。
成果物は何か。品質、件数、納期をどのように評価するか。
LegacyForceとしては、COBOLの経験をAIとの接点で見直すときも、担当できる仕事を具体的にすることが出発点だと考えます。この実例は、データ作成や確認の仕事に言語の専門性が使われた一つの例です。今ある経験と、新しく学んでいることを分けて整理しておくと、募集との適合を確認しやすくなります。
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